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死に様データベース
《誅殺》 《1402年》 《7月》 《6日》 《享年不明》


応永9年(1402)7月6日夜、
足利義満の側室高橋殿の御所にて、
角田近江次郎が何者かに殺害されるという事件が起こった。
御所は死穢に包まれることとなった。


神祇伯白川資忠は、
角田近江次郎が絶命する以前に、
高橋殿が死穢を逃れるために御所を離れたと聞いて、
高橋殿が死穢に触れていないと安心し、
9日、御所に高橋殿を見舞った。

しかし、
御所には穢れがあるとの風聞を聞くに及び、仰天。
神事に携わる身として不安になり、
遥拝などどうしたらよいか、
神祇大副吉田兼敦に諮問した。

兼敦は以下のように答えている。

 仮に角田が絶命する前に高橋殿が御所を出ていたとしても、
 高橋殿には縁者が大勢いるので、
 穢れが高橋殿本人に届いているのは、間違いないだろう。
 社頭の穢れにしても、今回のことにしても、
 世間の不浄というものは、どうしようもないものである。
 神事は中止し、行水を行い、
 また、遥拝も中止するべきであろう。 (『吉田家日次記』)

資忠はこのとおりにしたという。


もはや殺された本人は蚊帳の外である。
塩をまけばいい、
という問題でもないのであった。



〔参考〕
『大日本史料』第7編第5冊
東京大学史料編纂所データベース
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